「ない」から困ったことになっているのだから「ある」状態になればそれでOK!と単純に考えがちですが、どうやらそう甘くはないそうです。
ゆとりだけではなく、緊急時のクッションも必要だそうです。
足りない時はどうする?
ミズーリ州の救急病院では慢性的に手術室が足りなかった。
32の手術室で年間3万あまりの外科手術が行われていて、その予定を組むのが難しくなっている。手術室はつねに予約でいっぱいなのだ。
ただでさえいっぱいいっぱいなところに急患が出る。(急患は全仕事の20%を占める)
病院は予定していた手術を動かして、急患に対応せざるを得なくなる。
その結果、病院スタッフは午前二時に手術を行い、医師は二時間の手術をするために数時間待つこともしばしばで、スタッフはしょっちゅう予定外の残業をしている
困った病院はアドバイザーを呼んだ。
アドバイザーは問題をくわしく調べて分析し、かなり意外な解決策を提示した。それは、
手術室をひとつ使わずに空けておくというのだ。
手術室が足りなくて困っているのに、ひとつ使わずに空けておく!!
↓
ところがこれが大成功!
ひとつの手術室を緊急手術専用にすると、病院が受け入れられる手術は5.1パーセント増えた。午後三時以降に行われる手術の件数は45パーセント減少し、収入は増えた。
足りなかったのは手術室そのものではなく、急患のための手術室だったのだ。
予想外のための用意
病院は急患があることはわかっていたが、あらかじめ手術室を空けておくことはなかった。
常に遅れを取り戻すのに必死だったからだ。
借金の返済に必死になっている時に、冠婚葬祭や病気のためのお金を取っておこうとする?
目の前にお腹をすかせて泣いている子がいるのに、明日のためのおかずもつくる?
……。
やりたいことがたくさんあって、そのための時間が足りないにもかかわらず、万が一予想外のことが起こった場合に備えて、たとえば月曜と水曜の午後三時から四時までのスケジュールを空けておくべきなのか?
実際のところ、そうするべきだ。
車で30分のところに行くのに40分前に出発したり、万一の場合に備えて毎月の家計からいくらかを蓄えたりするのと同じだ。
確かに。
時間ピッタリに行動計画を立てていた汚部屋時代、少しでも道に迷うと遅刻確定で、焦りまくっていた。
現在はゆとりをたっぷり取って行動計画を立てているし、突発的な出来事があって遅れる時に何をするのかどうするのかあらかじめ決めている。
部屋の片付けに関しても、気力も体力も時間もないようなドン底状態の自分でも簡単に片付けられるような仕組みにしているので、汚部屋に戻ることはない。
ゆとり+クッションがある状態とは
やりたいことも、やりたくないことも、自由に選べる。
どのようにやるのか、やらないのか、選べる。
自分でやる、他人に任せる、これも選べる。
忘れないでほしいのは、例え自分には「ない」のだとしても、他人には「ある」のだということ。
手作りできなくても、市販のおかずが世の中にはある。
自分にお金がなくても、世界からお金がなくなっているわけじゃない。
いろんなサポートをしてくる制度だってある。
時間がなくて目の前のことだけしか見えなくなって焦っている時こそ、世の中に時間があってあなたを助けたいと思っている人がいるということを思い出して欲しい。
ミズーリ州の救急病院も、外部からアドバイザーを雇って問題を解決した。
「ない」と思っても「ある」ところには「ある」のだから。
自分だけが苦しんでいると思った時ほど、助けはあることを思い出して欲しい。
もう1回だけ続くのだ。
18.01.23
補足記事書きました↓

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