夏休み最終日から始める宿題。
返却期限を過ぎてから始めるブックレビュー。
5kg増えてから始めるダイエット。
シミができてから始める肌の手入れ。
工事の人を呼べなくなってから始めるお片付け。
もっと早くやっておけば!こんな苦労はしなくて済んだのに!
そう思いながらも、目の前のことに集中せざるを得ない状況がお好きではありませんか?
確かに、期限を設定するほうが生産性は高くなるという実験結果が出ています。
ところが、どうもいいことばかりではないようなのです。
一昨日の記事でも紹介した「トンネリング」という状態。

トンネリングとは、一つのことに集中して対処するために他のことが見えなくなっている、視野が狭くなっている状態のこと。
例えば、朝ギリギリまで寝る。もうやばい!という時間になったら飛び起きて身支度して家を飛び出す。
これは「家を出る」という出口に向かってトンネルを走り抜けている状態。
なんとなく一つの事を集中してできてるから良いことなんじゃないか、みたいに思いがち。
なんだけれども、短時間で身支度を整えて家を出るっていうことに集中しているがあまり、色んな見落としをしている。
例えば持ち物。
朝、ギリギリまで寝ている人は大体持ち物の用意も朝にやろうとする。
出かけなくてはいけない時間が迫ってきている状態で、持ち物をそろえても抜けが発生する。
忘れた……。
例えば洋服の状態。
慌てて近くにある洋服を手にとって着てきた。
裏表が逆だったー、くしゃくしゃだったー、毛玉がすげえ!!
見落とすだけじゃない。
服をとっかえひっかえしながら選ぶから、当然、服は散らかる。
元に戻す、そんな片付ける時間の余裕はないから、未来の自分へツケがまわる。
もう一つのことに集中するあまり他のことがおろそかになると、やっていることの質は下がるし、やっていないこともしわ寄せがくる。
忘れた物がその日必要不可欠な物なら、家に戻らなければならない。
その日会う人が大事な人なら、毛玉だらけの服でいることの恥ずかしさで頭がいっぱいになってしまい、大事な人との時間が濁る。
なんだかうまくいかない1日を過ごして帰宅すると、朝、散らかした服たちが待っている。
疲れている、片付いていないことにイラッとするが、お腹がすいている。
服の片付けより夕飯づくりのほうが切羽詰まっている。
夕飯をつくる。
食材を切るスペースは汚れた食器で埋まっている。
食器を洗うが、洗いかごが満杯だ。
かごの中身を片付ける。
なんとなく時間がもったいない気がして、お湯を沸かす。
やっと食材を切るスペースができた。
私はこれを一度に全部済ませるからいいことだと思ってた。
料理にまつわる作業を、一度に集中して行っているからいいことだと思っていた。
ところがこれをやることで何が起きていたかというと、
やりたいことをやるために、まず遅れを取り戻さなくてはいけないのだ。
さらに、
夕飯を作りながらも頭は洗い物ことを考えている。
洗い物をしながらかごの食器を片付けることを考えている。
かごの食器を片付けながらお湯のお湯が沸くかどうかを考えている。
目の前のやっていることに意識が向いていない状態がずっと続いている。
次から次へと対応を迫られる。
どんどん、どんどん、その場その場をしのぐだけで精一杯になってしまう。
「ジャグリング」
なんとなく、ジャグリングと呼ばれようと、その場しのぎであろうと、
できているんだからいいじゃない
そんな気持ちになる人もいるのではないでしょうか。
ではみなさん、ここで質問です。
借金の返済をするために借金をする。
そんな状況にいたいですか?
もしくは、そんな状況に陥った友人に「そのままでいいよ」と言いますか?
余裕がないという欠乏の状態からその場をしのぐ事に集中し、トンネリングを起こし、徐々に遅れがふくらみ、ジャグリングという自転車操業に陥り、ますます余裕がなくなる。
欠乏
↓
集中ボーナス
↓
処理能力低下
↓
トンネリング
↓
ジャグリング
↓
さらなる欠乏
毎日なにか追われているような、焦りと苛立ちのストレスにひたるような生活。
したいですか?
家族や友人にそんな生活をさせたいですか?
私の答えはもちろんNOです。
では、どうしたらいいのでしょうか。
この話、まだまだ続きます。
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