旧ブログで4回に分けて書いた記事を1つにまとめました。
その1
今でこそ「捨てたくなかったら捨てなくてもいいじゃない」と云っている私ですが、最初はやはり「捨てる」から始めました。
背中を押してくれたのは、この本。
カレンは「ガラクタ」を4つのカテゴリーに分類しています。
- あなたが使わないもの、好きではないもの
- 整理されていない、乱雑なもの
- 狭いスペースに無理に押しこまれた物
- 未完成のもの、全て
私がとくにギクッとしたのは4番目。
家の中で半端にしておいたものは、人生の中で半端にしていたものであり、それによってあなたはどんどんエネルギーを吸い取られていきます。
(中略)
取れたボタン、かけなければならない電話、清算しなければならない人間関係など、これらのほぐれを放っておいては、人生の前進の妨げになるでしょう。無視することもできますが、それには膨大なエネルギーを消費します。
たくさん後回しにしてました。
今もその傾向はありますが、なるべく「あとで」は「いつか」を決めるようにしています。
例えば夕飯のメニュー。
以前は四六時中「夕飯なににしようか」と悩んでました。
今は、「夕飯なににしようか」と思ったら「すぐ」決める・「スーパーに行った時に」決める・「夫からの帰るメールがきてから」決めるの3パターンです。
夕飯のメニューを考えるために生きているような毎日は終わりました。
カレンのいう「未完成のもの」が夕飯のメニューひとつだとしたら、エネルギーを消費しても、まだ余りがあったでしょう。
でも、そうじゃなかった。
ありとあらゆるものを放ったらかしにしたり、中途半端にしたままでいた。
目先の、新しいもの、楽しいもの、刺激的なものに飛びつき、飽きるとまた違うものを探し、立ち止まれば見たくもない現実が見え、振り向こうものならドロドロとした過去にとらわれ、動けなくなった。
夕飯のメニューごときで!?と思われるでしょうか。
日々の生活の中のちいさなちいさなストレスも、積もり積もれば大きなストレスになります。
ストレスの計算式を考えてみました。
(適当に考えたのでおかしかったらツッコミください。算数的におかしかったらごめんなさい!)
テーブルの上に物を置きっぱなしにしている。
放置した日数・1日につき1
テーブルの上の物の数・1つにつき0.1
片付けなくちゃと思った回数を1回につき1
で計算してみます。
月曜、1日目、1つ、1回。 1*0.1*1=0.1
火曜、2日目、5つ、2回。 2*0.5*2=2
水曜、3日目、9つ、2回。 3*0.9*2=5.4
水曜の時点で0.1+2+5.4=7.5
片付けなくちゃと思ったらすぐ片付けた場合。
月曜、1日目、1つ、1回。 1*0.1*1=0.1
火曜、1日目、4つ、1回。 1*0.4*1=0.4
水曜、1日目、4つ、1回。 1*0.4*1=0.4
水曜の時点で0.1+0.4+0.4=0.9
「未完成のもの」が増えれば増えるほど、放置している時間が増えれば増えるほど、ちいさなストレスじゃなくなってきます。
今の私でいえば、冬物をクリーニングに出すことですね。
ギャー!思い出しちゃった!
今夜、夫に確認して、明日出す!出すったら出す!
冬物クリーニングは0.8くらいかな?w
片付けなくちゃと思っているのが部屋全体だとしたら、毎日、何度も、ストレスになります。
ストレスの計算したくないくらい、膨大なエネルギーを消費していました。
だから、毎日ほんのすこし、1つでいいから片付けようと思ったのです。
毎日やれば、放置した日数は1。
やればやるほど、片付けなくちゃと思う物の数も回数も減っていきます。
どんどん楽になっていきました。
私がこの本を読んで、一番最初に捨てられたのは「言い訳」だったのかもしれません。
次回につづきます。
その2
この本のサブタイトルは「風水整理術入門」ですが、風水に興味のない人にも第一部「ガラクタ」を理解する は読んで損はないと思います。
第五章 「ガラクタの与える影響」の目次を紹介します。
持っていると、疲労感をおぼえ、無気力になる/過去の呪縛を溜めこむこと/体の働きも滞らせる/あなたの体重にも影響を与える/混乱のもとになる/人々の対応にも影響を与える/何事も延期しがちになる/不調和が起きる/自分を恥じるようになる/人生の展開が遅くなる/気分が鬱になる/超過荷物になる/完成が鈍り人生の楽しみを味わうことが出来なくなる/余分な掃除を強いられる/整理整頓が悪くなる/健康に悪く、火事の危険性を招く/好ましくない信号を発する/お金がかかる/大切なことに頭がいかなくなる
目次を読んだだけでも「わたしのこと!?」とビクっとしたのに、「整理整頓が悪くなる」のところでグサッとくる文章が。
整理整頓が悪いと時間が無駄になり、まるで自分は人生の落ちこぼれであるかのような気分になります。若い頃に両親に反抗するために部屋を汚くしていたという人は大勢いますが、大人になってもその習慣を続けることは、人生に足枷をはめていることにしかなりません。子供時代の未解決問題を一生引きずらないで、自分の家を自分でコントロールし、気に入った状態にしておくことで、力が湧いてくるものです。
足枷、はめてました。おもり付きで。
片付けを始めてから、私は夫に「〇〇を移動してもいい?」「××は捨ててもいいかな?」「△△をここに置いてもいい?」といちいち聞いていました。
ある日「なんで私はいちいち夫に許可をもらおうとするのだろう」とふと疑問に思いました。
夫はいつも「いいよ~。みぃこの好きなようにしなよ~」としか言わないのに。
「〇〇を移動してもいい?」と尋ねて許可をもらってからやらないと怒るのは、誰?
きいても「ダメ」「嫌」と拒否された相手は誰か。
それは、母でした。
もう一緒に住んでないのに!
私はもう居候じゃない。ここは夫だけの家じゃない。私と夫、ふたりの家なんだ。
とてつもない解放感でした。
なにをどうしようと怒られない、勝手にやっても元に戻されることはない。
それまで、家事は夫のためにやらなくちゃいけないものだったのに、自分の好きなようにできるんだと思った瞬間
やる気がぶわーっとわいてきました。
カレン本の感想でいうことじゃないけれど、「自分のために片付ける」ことの効果を、風水やヨガや宗教といったスピリチュアルなものではなく、科学的に説明している本があればいいのになー。
私の体験談、テンション高くてなんかちょっとうざくないですか?
この本の中にも、カレンのクライアントの話が出てきます。
外国人の体験談なので、なまなましくなく、ワンクッション置けるという良さがあります。
15部屋もある邸宅に住む老夫婦、といわれても、ピンときません。でも、広くて大変そうというのはわかります。
これが、8部屋ある古い農家といわれると、簡単にイメージできます。
敷地内には蔵があり、使ってない農機具や農薬があり、いつからあるのかわからない大量の食器がどこかに眠っていて……。
リアルにイメージできてしまうと、疲れちゃうんですね。
教会に寄付した、ガレッジセールを開いた、と書かれるとふーんと流せます。
それが、赤十字に寄付した、ヤフオクに出品した、と書かれるとどうでしょうか?
読んでるだけでめんどくさくなりませんか?
また外国の家ですからスケールが大きいです。
15部屋も片付けることを考えたら、3DKなんて楽勝!
そんな気持ちにさせてくれます。
風水色が比較的薄い第一部、おすすめです。
次回は、第二部 「ガラクタ」を見分ける の感想です。
もうしばらくお付き合いください
その3
第一部ではガラクタとは何か、ガラクタがあるとどうなるのか、なぜガラクタを溜めるのかが書かれています。 そして、第二部 「ガラクタ」を見分ける では風水定位盤が登場。
はじめに、風水定位盤というものが出てきます。
風水定位盤とは、あなたが住んでいる建物のどこがどのように人生に影響をあたえるのか理解するための方位です。
それがこちら。
家を9つのマスに分け、各マスごとに対応する項目が割り振られています。
定位盤を見取り図に当てはめるやり方は本を読むか、検索してください。
カレンは、
私自身かなり疑い深い性格ですので、あなたがこの情報を受け入れる前にテストしてくださることを心からお薦めします。
といっています。
1つは、定位盤の中から順調にいっている部分を探し出して、その場所にガラクタを置いてみること。
もう1つは、うまくいっていない部分のガラクタをきれいに整頓すること。
散らかせば運気が下がり、きれいにすれば運気は上がる。
片付けたいと思って、この本を読んだ人がとる行動は……2つ目しかないんじゃないでしょうか。
この定位盤を参考にして、私は片付けました。
どこもかしこも散らかって汚れていたから、どこから手をつけていいのか途方にくれていたのです。
だからその日一番、運気を上げたい場所を片付けていきました。
この定位盤に書かれた事柄、すべてに満足し順調にいっている人なんているのかしら?と思いながら。
うさんくさーい、と思いながらもやる気をくれたのは確かです。
部屋がきれいになることで、なにがどう良くなるのか。
頭では知っていました。
必要な物がすぐ見つかる。二重買いしなくなる。ホコリでせき込むこともなくなる。
でも、それがなに?と思っていました。
ずっとそうやって生活してきていたから、そんな小さいこと、どうだっていい。
みなさんはどうでしょうか?
片付けたら1万円あげるよ。
片付けたら宝くじあたるかもしれないよ。
どちらがやる気出ますか?
私は後者
だから、この本でやる気がわきました。
定位盤だけでなく、溜まりやすい「ガラクタ」についてカレンは説明しています。
第一部では、外国人のものであったためリアルに感じられなかった体験談。
第二部では、外国人であっても日本人であっても、同じなのだと思わせてくれます。
第九章 あなたの家の「ガラクタ」ゾーン タンスの中身
本当に欲しいもの以外は、二度と買わない決心をかためてください。どのみちそれは80%の山の中に入って、お金の無駄遣いに終わるのです。
第十章 収集癖 なぜ人々はものを収集するのか
それらの集めたものは、本質を自分のエネルギーの中に取り込み終われば用済みなのです。
第十一章 紙の「ガラクタ」 本
蔵書は、持ち主のアイディアや信念を象徴しています。古い本が大量に本棚を占領していると、あなたはだんだん新しいことにチャレンジをしなくなり、まわりの本と同じようにかび臭いエネルギーを発するようになってしまうのです。
第十二章 その他の「ガラクタ」 好きではないもの
自分に当座しのぎのものを与えてはいけません。あなた自身に最高のものを与えていくと、他の分野でも最高のものが呼び寄せられてくるようになるのです。あなたが現在経済的に苦しくて、手持ちのもので間に合わせなければならない状況ならば、それらを出来るだけ大切にして感謝の気持ちを持ちましょう。
汚部屋脱出作業中、何度もこの本を読み返しました。
特に、第十四章 他の人たちの「ガラクタ」
パートナーが貯めこんだ「ガラクタ」
直接頼まれない限り、絶対に相手の「ガラクタ」を勝手に片付けたりしてはいけません。
他者を変えることは決して出来ないことを、悟りましょう。あなたが変えることが出来るのは、あなた自身だけです。
子供の「ガラクタ」
あなたがいつも子供にガミガミ言っているような状態であれば、まず自分の「ガラクタ」を先に解決したほうが良いでしょう。
部屋を綺麗にしたい!あわよくばラッキーよやってきてくれ!と思いながら片付けていると、夫の「ガラクタ」が気になって気になってイライラしました。
私はスッキリさせようとこんなにがんばっているのに、なんであなたはのほほんと何も考えずに買い、適当に扱い、散らかすのよっ!
こう思うたびに、第十四章を読み返しました。
そして、わかったこと。
夫の「ガラクタ」にイライラするのは決まって、自分の「ガラクタ」を処分することが難しい、めんどくさい、嫌な時。
自分のものに向き合えないから、夫のものに逃げていたんですね。
今もあります
カレンは他の人たちの「ガラクタ」に有効なのは2つだけだといっています。
1つは、教育。この本を読ませてといっています。
もう1つは、手本を見せる。
これは私も経験があります。
直接、相手に「片付けて」と言うよりも、片付けている姿を見せるほうが効果があります。
夫が会社に行っている平日だけ片付けをしていました。
ですが、自分の努力をわかってほしかったので、休日にも少し片付けをするようにしました。
しばらくして、夫がいきなりカバンの中身を整理し始めたときの驚きったら、もう!
これ見よがしにやる必要はないと思いますが、軽く楽しくできる範囲の努力は見せたほうがいいです。
相手が「片付けは楽しいのかもしれない」と影響されていきますよ。
ただし、夫が自発的に片付けはじめるのは、必ず私が気にしていない時なんですよねぇ。
不思議。
さらに不思議なのは、「最近、片付けにはまってるんだ~」と言っただけなのに実家の母まで片付けを始めていたことです。
母の身長では使いづらい食器棚が、使いやすそうな白いピカピカのものに変わっていました。
何年も何年も我慢して使っていて、同居していたときに何度も「買い換えれば?」と言っても決して変えなかったのに。
壊れたわけでもないのに、「なんとなくもういいかなと思って」買い換えたそうです。
次回はラスト。
第三部 「ガラクタ」の処分の仕方 です。
その4
第三部 「ガラクタ」の処分の仕方 でようやく作業の進め方がはじまります。
第十六章から第二十一章まであるのですが、第十六章以外は、いまいちグッときませんでした。
ですので、第十六章の感想になります。
整理整頓のハウツー本ではないので、大事なポイントだけが書かれています。
ページ数でいうと、20ページという少なさ!
私が実際にカレンのやり方で効果があったものを紹介します。
第十六章 あなたの「ガラクタ」の処分の仕方
想いや感情を換える
「しなければならない」は、もっとも力を萎えさせる言葉です。この言葉を使うと、あなたは罪悪感や、重厚感を感じるでしょう。私からのアドバイスは、この言葉を使うのを永遠にやめて、代わりに「できる」に置き換えてみることです。 「私は今日『ガラクタ』退治しなければならない」と「私は今日『ガラクタ』退治をすることができる」の違いを、感じてみてください。「できる」はあなたに選択を与え、後にうまくいったら自分を褒めてあげることができます。「しなければならない」はあなたを憂鬱な気分にさせ、咎められているような気分になり、達成してもあまり嬉しくありません。
第十六章は、全文引用したいくらい読んで欲しい内容です。
「○○しなければならない」は強烈なプレッシャーになります。
こう思うとき、○○の部分はたいてい完璧なものをイメージしているのではないでしょうか。
洗濯しなければならない。
溜まっている洗濯物すべてを洗い、干し、きちんとタンスやクローゼットにしまうまで、決して満足することはないのではないでしょうか。
「できる」と置き換えると、自由になれます。
洗濯できる。
溜まっている洗濯物を1回分だけ洗うことができる、白い服だけを洗濯することもできる。タオル類だけ、下着だけ。もちろん、全部洗うこともできます。
もうひとつ言うなら、「できない」を「やらない」に置き換えてみてください。
片付けない。
捨てない。
意外と、こう思うことでやる気が出てくる場合があります。
片付けないならどうするのか。
捨てないならどうするのか。
「しなければならない」と、こりかたまっていた思考がほぐれ、いろいろなやり方が浮かんできて、前に進んでいけます。
リストを作る
始めに、ノートとペンを片手に家のなかを歩き回り、各部屋のどこに「ガラクタ」が溜まっているのかチェックしてください。
家にいないor面倒なら部屋を思い浮かべて。
次に紙に、比較的軽症な「ガラクタ」ゾーンから重症の場所の順にリストを書き写します。
軽症の例は、引き出しひとつひとつ、小さい棚、ハンドバッグの中身、など。
重症の例は、物置部屋、倉庫、など。
あなたがもっともイラつく原因となる場所を選び出しましょう。その中で軽症から重症の順番に始めていくのです。
私の場合、特にイラつく場所がなかったので単純に簡単そうな場所から始めました。
1.洗面所・トイレ・風呂場
2.食器棚
3.吊り戸棚
4.リビング
5.ダイニング
6.PC部屋
7.収納スペース
8.実家の本
去年の6月10日にリストアップして、実家の本を整理し終えたのは9月13日。
引っ越して2年、2人暮らし、専業主婦という比較的楽な条件で3ヶ月です。
片付けスキルが低かったせいかな
今ならもっと早くできる気がします。
リストを作った後の作業については割愛。この辺は、他の片付け本を参考にしてもいいでしょう。
第十六章の最後はこう結ばれています。
自分に良いことを、してあげよう
完璧を目指す必要などないことを、忘れないでください。ただあなたの生活を滞らせている「ガラクタ」をきれいにして、人生を整理すれば良いのです。
私は完璧主義の傾向があるので、行き過ぎないようにたまに「完璧なんてどうでもいい」と自分に言い聞かせてます。
風水の知識を元にしたカレン独自の手法(スペース・クリアリング)について、わかりやすく訳者があとがきにまとめられていました。
現在日本でも若い女性の間で人気が高い風水ですが、一般に浸透しているものは室内の家具の配置や色彩を変えたり、幸運を呼ぶグッズを置いたりという、いわば足し算型。ところがキングストン氏の行うスペース・クリアリングとは、いかに無駄なガラクタを排除して部屋の中のエネルギーをうまく循環させるか、という引き算型なのです。
さて、4回分も感想を書いといてどうかと思うんですが、この本の悪い点を1つ。
運気を上げたい!とやり過ぎてしまう。
まぁ、これは私の悪い癖です。はまるとドップリ寝食忘れてやってしまいます。
自分ひとりのものならば好き勝手にやりすぎてもかまわないのですが、ひとりで暮らしているわけではないので、夫のものにイライラするんですね。
前回も書きましたが、自分のものに向き合えないから、私にとっては簡単に捨てられる夫のものを捨てたかった。
ある程度、自分のものを「整理した!」と思えたとき、イライラはピークに達しました。
そこで私がとった行動は、
この本をしまいこんで、読み返さないようにする。
でした。
ここは私と夫、ふたりの家。
私だけ居心地のよい快適な部屋にすることは、夫はいらないといっているようなものです。
夫につらい思いをさせてまで欲しい幸運など何もない。
もちろん、私が我慢する必要もないので、文句言います。
改善されなければ話し合いでどうするかを決めます。
ふたりとも居心地の良い快適な部屋にしたい。
さまざまな物が発するエネルギーに受ける影響よりも、強いもの。
それは、人間ではないでしょうか。
やり過ぎる傾向がある方は、ご注意を。
裏をかえせば、やり過ぎにしてしまうほど、この本は「片付けたい」という気持ちを後押ししてくれます。
スピリチュアルなものが嫌いでない方にはオススメですよ~。
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